Stray Love Ⅰ 〜ソラノイロ〜
「…

コーヒー飲む?」


昨日帰らなかったアタシに、
大荷物をかかえたアタシに…

レイカは一言だけ声をかけた。


「ん、あのさ…

悪いけど店長に、やっぱり店には戻らないって、言っといてほしんだけど…」


「…

そう思って、最初から言ってない」


「え…?なんで…」


レイカはアタシをチラッと見て、テーブルにコーヒーを置いた。


「別に…

今のアンタには、似合わないから」




レイカ…




ソファーに座って、コーヒーを口にした。

あったかさが、心と身体に染み込んでく…



「なぁ…

あの時なんで、屋上にいたんだ?」


「…

死にそうな感じで歩いてんの見かけて…

ちょっと気になっただけ」




なんで死にそうってわかったんだ?

レイカもそんな経験があんのか?





そうだな…

きっと誰もが、何かを抱えて…



もがきながら、戦ってる…


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