スタートライン~私と先生と彼~【完結】
『カズさん!!』
2年間探し続けていた人が、目の前にいる。
しかも、うちのクラスの副担任。
ありえない。
ありえない。
これは夢か?
私は同じ教室にいる、『カズさん』改め『斎藤先生』の顔から目を離す事ができなかった。
・・・こんな偶然あり??信じられない!
あの少しくせのある髪の毛。あの時は茶色だったけど、黒くなっている。
でもあの優しい表情、低いけど柔らかい声・・・・あの時のままだ。
私は再び現れた捜していた人物を穴が開きそうなくらい見つめていた。
ホームルームが終わっても、帰り道の電車の中でも、家に帰ってからも、考えることは・・・。斎藤先生のことばかり。
今頃現れるなんてずるい・・・。
私はいったいどうしたらいいの??
なんであなたは、先生なの?
私の中には嬉しさと一緒に、何か複雑な想いが共存していた。