スタートライン~私と先生と彼~【完結】

ホームルームでは、委員を決め、私はくじ引きでクラス委員になってしまい、早速仕事があった。

私ともう一人のクラス委員の片山くんが、春休みの宿題を集めることになり、私は数学の宿題を職員室に持っていくことになった。


・・・めっちゃ緊張する。斎藤先生いるんかな??おそるおそる職員室のドアを開けた。


いた〜!

そりゃいるか!


な、なんて言ったらいいのかな・・・。


私は、心臓が口から出るんじゃないかと思うくらい、心臓が激しく動いていた。


「先生、宿題を集めて持ってきました」

「あぁ、ありがとう」


あ〜、あかん!


緊張し過ぎてどうしたらいいかわからんし!

「失礼します」


ここはとりあえず、帰ろうと思った。

そう思った瞬間。

思いがけない出来事が起き、私の心臓がとうとう口から出た・・・・・・かと思った。


「数学のテスト頑張ったな」


先生は言葉と一緒に、手を私の頭にポンと置いた。


私は先生と目を合わせると、自分の顔が真っ赤になっているのがわかり、走ってその場から去った。


せ、先生、反則やわ・・・。


私はトイレに駆け込み、舞い上がった気持ちを落ち着かせようとしていた。


ドキドキが止まらない。

このまま出ていったら、みんなに私のドキドキがばれそうな気がしたので出ることができなかった。


やばい・・・先生の顔を明日から見られへんやん!


斎藤先生の大きな手の感覚を忘れられず、毎日ドキドキしながら授業を受けていた。


1年間、心臓もつのかな・・・。



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