スタートライン~私と先生と彼~【完結】

そんな中、川田先生は私を動揺させることを話し始めた。

「明日から個人面談を始めるから、放課後、5人ずつ残っておくように。今回は斎藤先生も一緒に居てもらうからな〜」

えっ?

斎藤先生も?

どうしよう・・・緊張するやん。

私の心臓は少しの休憩もなく、激しく鼓動するのであった。


個人面談が始まり、私はその日の最後の面談者だった。廊下から窓の外を眺めていたが、全く何を見たのか、誰が居たのかは覚えていなかった。それくらい、緊張していた。


「原田〜。入っていいぞ〜」

川田先生の声が、私の背筋を伸ばした。

「失礼します」


やっばい・・・顔が引き攣ってる・・・。


そんな事はおかまいなしに面談は始まる。


「原田は、京府大目指してるんやな」


川田先生は、進学調査票を見ながら言うと、私に顔を向けてくれた。

「はいっ」


そう。私は斎藤先生と同じ京府大学を目指してる。

返事をしながら、斎藤先生の方を向き、思い切って質問をしてみた。


「斎藤先生は京府大出身ですよね?」


本当は、すごく動揺していたけど、それが表に出ないように冷静さを取り繕って質問した。


「そうそう、原田、斎藤先生にいろいろ聞くといいよ」


川田先生が言ってくれた後、精一杯の笑顔を斎藤先生に向け、頭を下げた。


「よろしくお願いします」

「いや、たいした事は教えれないと思うけど、聞きたい事があったら聞いて」


先生は頭を掻きながら、照れ臭そうに言っていた。

その仕種がなんともかわいらしかった。


質問はたくさんあるけど、多分、行けないと思う・・・。


妙な汗をかいて、面談が終わった。とにかく、変なことを口走らなくてよかったと胸を撫で下ろしていた。



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