スタートライン~私と先生と彼~【完結】
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お昼休み、いつものように奈緒と教室でお弁当を食べていた。
「沙知、笠野くんとはどうなん?」
興味津々という感じで聞く、奈緒。
「笠野くん?・・・春休み以来会ってないし。メールするくらいかな?」
鶏から揚げを食べながら、答えた。
「え〜全然、進展してないやん!」
不満そうな顔をしながら、奈緒は卵焼きを口に入れていた。
「進展って・・・何を望んでるの?」
ほんま、何を考えてるんよ・・・。
「付き合うとかいうのは?」
少し照れくさそうな表情で聞いてくる奈緒の目をじっと見つめて、きっぱりと返事をした。
「ないよ」
隆と過ごすのは、楽しいけど、私には・・・・・好きな人がいるから。
「え〜。ないの?」
残念がっている奈緒を放って、私は斎藤先生を見た。