スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「どうした?なんかあったか?」
私の表情が一瞬にして曇ったので、それに驚いた先生は私の顔を覗き込むようにして聞いてきた。
「先生・・・私自信がないんです」
私は職員室のきれいとは言えない床を見つめて、出ようとしない声を絞り出すように言った。
『勉強してるか?』なんて3年になって飽きるほど聞かれる。
家、塾、学校。
塾の成績も伸びているが、本番で実力を出せるかが怖い。
期待されているから、聞かれるのはわかっているが、正直プレッシャーになっているのだ。
それを表にも出せずにいる自分が嫌になる。
『いい子』でいなくてもいいのに、我慢してしまう。
だからこんなに辛いんだ。
私は今まで話したことがない思いを先生にぶつけた。