スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「あれ?沙知、斎藤ちゃんと一緒に登校??」
「違うよ!!」
「手越、『斎藤ちゃん』ってなんだ?」
「えっ?ははは〜。気にしない、気にしない」
「・・・・・・」
いくら理香といえども、先生と仲良く話してるのを見るのはいい気分ではない。
「先生、電車に乗ってるなんて珍しいよね?」
私は勇気を出して聞いたことを理香は、あっさり聞いていた。
「あぁ、飲み会あるからな・・・」
「飲み会って言いながら、合コンでしょ?」
ニヤリと意地悪な顔で先生に詰め寄った。
「違うよ。男だけだし」
私も少し合コンかと思っていたから安心した。
「先生の友達だったら、イケメンじゃないの?私も行きたいなぁ。ねぇ?沙知。」
木下くんが聞いたら怒るよ・・・。
「うん。行きたいなぁ」
私は、別にイケメンに会いたいんじゃないよ。先生と過ごしたいだけ。
「ダメダメ。お子様はちゃんと勉強しろ」
急に教師の顔になり、お叱りを受けた。
それでも、理香は負けていなかった。
「え〜。だって私、指定校推薦でもう進路決まったし〜」
「手越は決まったか知らないけど、原田はまだセンター試験も控えてるんだぞ」
先生の様子を見て理香は諦めたみたい。
理香のしょぼくれた様子を見て先生と目を合わせて笑った。
学校に着くと、「じゃあ、卒業したら連れて行ってね〜。」と言いながら私の手を引いて走って行った。
諦めてないの?!
「理香、あんた木下くんに怒られるで〜」
「沙知が行きたそうにしてたから・・・」
「はぁ?」
「冗談」
一瞬、私の想いがばれてるのかとドキドキした。