スタートライン~私と先生と彼~【完結】
学校を出ると、たくさんの人がいた。みんなの彼氏や彼女。
その中に、木下くんと梶原くんと隆もいた。
木下くん達の学校はすでに卒業式は終わっているから、私服だった。
「卒業おめでとう」
3人が声を合わせて言ってくれた。
理香と奈緒はすぐに彼氏の元に駆け寄ったので、私だけが取り残される形となった。
「さっちゃん、泣いたやろ?」
目の前に立っている隆は、柔らかな笑顔で迎えてくれていた。
「えっ?わかる?」
私は顔を隠すように前髪を触りながら、俯いた。
「うん。目が真っ赤」
あぁ・・・相当泣いたもんな・・・しかたないよな。
「恥ずかしいなぁ・・・」
「・・・かわいいよ」
私はその言葉に驚き、隆の顔を見ると、彼は真っ赤な顔をして、目を逸らした。
「やっべー。俺、なんか・・・」
頭の後ろを掻いて、しどろもどろになっている。
「ありがとう」
私は俯きながら、照れ臭かったけど、お礼を言った。
いつもありがとう。
あなたの気持ちはわかってる。
そしてあなたは私の中にいる誰かに気付いている。
だから気持ちを伝えずにいるんよね?
もう少し待ってくれますか?
先生の事を忘れられるまで・・・。