スタートライン~私と先生と彼~【完結】
あなたがいない生活
卒業式の日、家に帰ったら、もう涙は一生出ないのではないか、というくらい泣いた。
しばらく私は、家では抜け殻のようになっていた。
そんな時でも外ではいつも通り振る舞っていた・・・・・・はずだった。
皮肉なもので、恋に夢中になっている理香や奈緒たちより、隆が気にかけてくれた。
「無理してるやろ?」
隆は真剣な表情で私の顔色を伺っていた。
「えっ?」
私は何を言われているのかがわからずに、隆の顔を見た。
「無理矢理、笑顔を作ってる」
図星の言葉に私は身動きが取れないくらい固まってしまった。
隆、あなたはなぜ何も聞かないの?
少しでも聞いてくれた方が楽になるかもしれない。
あなたの胸で泣くことができたら・・・・・。
今すぐ、あなたの事が好きになれたらどんなに楽なんやろう・・・。
なんてずるい事しか思い付かない。
こんな私はきっと、あなたに相応しくない。