スタートライン~私と先生と彼~【完結】
会うのは1ヶ月半振りだろうか、恵美は背中まであった髪を肩までの長さに切っていた。
とりあえず「似合ってる」と褒める 。
小柄で目が真ん丸で、動物で例えるなら子犬のようなかわいらしい恵美には、今の髪型の方が似合っているように思ったので、『似合ってる』というのは本心であったが、気付いていないフリをしてもよかった。
何故言ったのかというと、それは彼氏としての最後の役目だと感じたからである。
髪を切って、もうすでに新しい生活のスタートをさせようとしてるのか。
「仕事、忙しいんやね」
あまり表情を変えずに恵美は言った。
「そう、ごめん。いろいろ忙しくて」
半分真実、半分嘘を顔色も変えずに吐き出した。
たわいもない話をするが、別れの話をし出す様子はゼロ。
それどころか、彼女は久しぶりに俺に会えたのが嬉しいという表情にしか見えない。
食事をし俺の車でドライブをし・・・。
恵美のマンションへ行ってしまった・・・。
彼女を抱きながらも頭の中は原田がちらつく。
・・・最低だ。
彼女が自分に気があることをいいことに・・・
「カズと一緒に過ごせる時がしあわせ」
こんなことを言われると、胸が痛む。
俺は別れたいんだよ・・・?
どうしても言えない言葉が頭の中をぐるぐると掻き乱していた。
とりあえず「似合ってる」と褒める 。
小柄で目が真ん丸で、動物で例えるなら子犬のようなかわいらしい恵美には、今の髪型の方が似合っているように思ったので、『似合ってる』というのは本心であったが、気付いていないフリをしてもよかった。
何故言ったのかというと、それは彼氏としての最後の役目だと感じたからである。
髪を切って、もうすでに新しい生活のスタートをさせようとしてるのか。
「仕事、忙しいんやね」
あまり表情を変えずに恵美は言った。
「そう、ごめん。いろいろ忙しくて」
半分真実、半分嘘を顔色も変えずに吐き出した。
たわいもない話をするが、別れの話をし出す様子はゼロ。
それどころか、彼女は久しぶりに俺に会えたのが嬉しいという表情にしか見えない。
食事をし俺の車でドライブをし・・・。
恵美のマンションへ行ってしまった・・・。
彼女を抱きながらも頭の中は原田がちらつく。
・・・最低だ。
彼女が自分に気があることをいいことに・・・
「カズと一緒に過ごせる時がしあわせ」
こんなことを言われると、胸が痛む。
俺は別れたいんだよ・・・?
どうしても言えない言葉が頭の中をぐるぐると掻き乱していた。