スタートライン~私と先生と彼~【完結】


隆と付き合い始めて一ヶ月。

梅雨も終わり、暑い夏がやってきた。

付き合い出して変わったのは、お互いの部屋に入れるようになったこと。

今日は私の部屋で夕飯のカレーを食べいる。


食事も終わり、テレビを観ていたら・・・。

「さっちゃん・・・」

突然呼びかけられたので、「ん?」と隆の顔を覗き込んだ。


「あのさ・・・」


眉間にしわを寄せながら、言いにくそうにしてる・・・どうしたんかな?カレーが美味しくなかったとか?

でも、3杯も食べてたしな・・・。


「金曜日に合コンがあって、数合わせに来いって言われてるんやけどさ・・・」


合コンか・・・それでそんな顔をしてるのか。

私の顔を見ながら言う姿は、とても申し訳なさそうだったし、正直に話してくれたのに、許さないわけにはいかない。


「いいよ〜。ただの数合わせやんな?」


自分でも『ただの』の部分を強調していたことに驚いた。


「うん。もちろん」

喜んでいる感じではなかった。

彼の様子から、『仕方なしに』というのがわかった。

「じゃあ、いいよ」

と言ったものの・・・なんか嫌。


私、きっと嫌な顔してたんやろうな。

「怒ってる?」

私の顔を覗き込んでる隆の顔は少し嬉しそう。


「べ、別に・・・怒ってはないけど・・・ちょっと嫌だった・・・かな」

「ほんまに?」


何?めっちゃ笑ってるというか、ニヤニヤしてるし。

えっ、そんな反応おかしくない?


「ど、どうしたん?」


その怪しげな笑顔に驚き、思わず噛みながら聞いてしまった。


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