スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「これ以上、さっちゃんの隣に居たら・・・・押し倒してしまいそうやから」
私の目線と合わすように、しゃがみ込んで言った台詞に、私は驚いた。
「な、なっ!」
平気な顔してこの人は何を言うんや!
「ごめん、ひいた?」
彼は、眉をひそめて、心配そうな表情で聞いてきた。
「ううん。そんなことないよ」
そう言って首を振ると、隆の顔を見つめた。
驚いたけど、引いてはないよ。
だって、好きな人とそうしたいのは自然なっことだと思うし・・・。
「そ、そんなかわいい顔したら、あかんよ・・・」
いつの間にか、再び隆に抱きしめられていた。
「ごめんなさい」
「あー!!あかん、あかん。そんなこと言ったらあかんよ。さっちゃんは、俺のこと誘うの上手なんやから」
さ、誘う?!誘ってないし。
「最後にもう一回キスさせて」
「うん」
3回目のキス。
長い長いキス。
終わった瞬間、もう一度ギュッと目を閉じて
「じゃあ、またね」
と帰って行った。
今日でもよかったのに・・・。
なんて思う自分がいることに驚いた。