スタートライン~私と先生と彼~【完結】
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今日の夕飯は炊き込み御飯と肉じゃが。
隆のリクエスト。
隆はいつもおいしそうに食べてくれる。台所に立っていると、隆の視線が気になる。
隆の方を向くと、目を逸らす。料理に集中していたら隆がすぐそばにいた。
「さっちゃん」
甘えた声で呼ばれる。
「はぁい」
後ろから抱きしめられた。
「危ないよ」
「嫌やね。離せへん」
だだっこのように言う隆に抵抗しても無駄だから抵抗しない。
私が抵抗しないことをいいことに、首元にキスをする。
「んっ・・・り、りゅう?」
自分でも恥ずかしい声が出た。
「さっちゃん・・・」
隆の力が強くなる。
「隆、できたよ」
タイミングよく、夕食ができた。
「は、はい」
隆は私から離れた。
こんな風に私の部屋でごはんを食べることも多くなったが、私たちは一線を越えていなかった。
おそらく、そろそろ隆も限界なんだろうな、と感じているが、今の流れでというのは、なんとなく嫌だった。
「やっぱり、うまい!」
隆は相変わらず、おいしそうに食べてくれる。
「ありがとう」
二人とも食べ終わり、片付けをする。