スタートライン~私と先生と彼~【完結】



*****

今日の夕飯は炊き込み御飯と肉じゃが。

隆のリクエスト。

隆はいつもおいしそうに食べてくれる。台所に立っていると、隆の視線が気になる。


隆の方を向くと、目を逸らす。料理に集中していたら隆がすぐそばにいた。


「さっちゃん」

甘えた声で呼ばれる。

「はぁい」


後ろから抱きしめられた。


「危ないよ」

「嫌やね。離せへん」


だだっこのように言う隆に抵抗しても無駄だから抵抗しない。

私が抵抗しないことをいいことに、首元にキスをする。


「んっ・・・り、りゅう?」


自分でも恥ずかしい声が出た。


「さっちゃん・・・」


隆の力が強くなる。


「隆、できたよ」


タイミングよく、夕食ができた。


「は、はい」

隆は私から離れた。

こんな風に私の部屋でごはんを食べることも多くなったが、私たちは一線を越えていなかった。

おそらく、そろそろ隆も限界なんだろうな、と感じているが、今の流れでというのは、なんとなく嫌だった。



「やっぱり、うまい!」


隆は相変わらず、おいしそうに食べてくれる。


「ありがとう」


二人とも食べ終わり、片付けをする。





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