スタートライン~私と先生と彼~【完結】
私は隆に軽々と抱き抱えられて、後ろのベッドにゆっくりと下ろされた。
私の上には隆。
そして、ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、チュッと頬にキスをしてくれた。
「さっちゃん、好きだよ」
と嬉しそうに言うと、密着するように抱きしめてくれた。
耳元に彼の少し荒くなりつつある息が掛かるたびに、声が出そうになるのと必死でこらえた。
我慢できないって・・・そういうことよね。
だとしたら、私は、隆となら・・・・・・いいよ。
でもそんなことは言えないから、彼からの言葉を待つしかなかった。
「さっちゃん・・・・・・嫌だったら逃げて」
切ない声が私の耳に響く。
嫌じゃないよ?
「さっちゃん・・・・・・逃げて・・・よ。逃げないと・・・俺止めることできない。」
だから、逃げないって。止めてくれなくていいって。逃げようとしないのが、私の答えだよ。
「さっちゃん・・・」
三度、私の名を呼ぶと、腕の力を緩め、私の顔を見つめた。
「逃げないから」
私がそう言うと、彼は安心したような笑みを零し、再び私に覆いかぶさってきた。
「さっちゃん、大好き」
「隆、大好きよ」
私は隆の首の後ろに手を回した。