スタートライン~私と先生と彼~【完結】
スタート
隆との恋人生活は、1年が経っても新鮮な気持ちでいることができた。
そんなある日、喧嘩なんてすることもない私たちが、あるメールがきっかけで喧嘩することになった。
【件名:
同窓会のお知らせ
本文:お盆に3-8の同窓会をする予定なんやけど、沙知はこっちに帰ってくる??
もちろん川田先生も斎藤先生も呼ぶよ〜。】
同窓会・・・。
私は久し振りに見た『斎藤先生』という文字に動揺するのがわかった。
「さっちゃんどうしたん?」
隆は、私の血の気が引いていく顔を見て、心配そうに聞いた。
でも、隠しても勘の鋭い隆のことだから、バレてしまうと分かっていたので正直に話すことにした。
「あっ、お盆にね、同窓会があるんやって」
――きっと気づいてる――
「そうなんや〜。いつの?」
ほら、私が3年の時の同窓会というのを隠したのことを気づいたから、聞いてくるんだ。
「・・・高3の時の」
こんな言い方をするべきじゃなかったんやけど、後ろめたさから明るくは言えなかった。
「ふうん。行くんやろ?」
なんでそんな言い方をするん?
試してるの?
「どうしようかな・・・?」
なぜ、『行く』と言わなかったんやろう・・・。
ただでさえ勘が良い隆は気付いてしまう。
「なんか、隠してるの?」
私の目をじっと見つめて聞いてくる隆に、私は目を合わせることが出来なかった。
「何を隠すんよ」
明らかに語尾が弱い。
「素直に『行きたい』って言えばいいやん」
私の弱々しい声の数倍もある声で、投げ捨てるように言った言葉は、私の胸に刺さった。
「だって・・・隆がやきもち妬くかな?って思ったから!」
私は、笑ってごまかそうとしたが、時すでにおそし。