スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「・・・別に同級生には妬かへんし」
隆は俯いて、何かを含んだ言い方をした。
何それ・・・『同級生』の所が強調されてたし。
「じゃあ、誰に妬くの?」
うわっ、私何言ってるんよ!
自分の口から出てきた言葉なのに、自分が驚いていた。
そして、私の言葉に、隆は目を見開いてこちらを見た。
さすがの彼も、こんなことを聞かれるなんて思っていなかったのだろう。
「誰って・・・」
私は、はっきりと言って欲しかったのかもしれない。
でもそれ以上に、この話を終わりにしたかった。
「もういいよ・・・」
呟くように言った私の台詞に被るように、隆の怒鳴り声が部屋に響いた。
「いいことないし!!」
いつもは見せない厳しい表情と刺すような視線を向けられた。
やばい・・・怒らせてしまった。
私は、一種の危機感を感じていた。でも、隆は深呼吸をし一旦気持ちを落ち着かせて、私と向かい合わせに座った。