スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「あいつに会ってきたらいいよ。もし、あいつがいいって言うなら、また俺に惚れさせるから」
隆はニッコリと笑ってそう言ったが、その悲しそうな笑顔が忘れられなかった。
「隆・・・」
「じゃあ、俺帰るな・・・」
隆は、俯き何かを言いたそうだったが、そのまま部屋を出てしまった。
彼の背中を見ると、心臓を掴まれているように痛かった。
そして、自分がどれだけ彼に不安な思いをさせてきたのかを考えると、自分が嫌になってきた。