スタートライン~私と先生と彼~【完結】


・・・・・・さっちゃんとの距離が縮まりますように。


俺の願い事。


・・・・・・さっちゃんが京府大学に合格できますように。


これも、俺の願い事。


「さっちゃん、もうすぐ試験やね」


「うん」


年が明けたので、あと20日くらいでセンター試験が始まる。


「さっちゃん、あともう少し頑張ってね!」


あぁ、また『頑張ってね』なんて言ってしまった。

さっちゃんは俺なんかより数段頑張ってるはずだ・・・。

そういう人に使うべきじゃないよな。


さっちゃんは、『ありがとう』と言ってくれたけど。


今年初めに隣にいてくれたのが、さっちゃんであったこと――それは俺にとって何かいい暗示なんだろうか・・・?


そうなってくれたらいいなと思う俺は・・・いったい何をしたらいいんだろう。



そんな想いは、寒い寒い空に消えて行った。



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