スタートライン~私と先生と彼~【完結】

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『今日は大学入試センター試験ですが、お天気はどうですか?』


今日は、学校が休みにも関わらず、朝からテレビを観ていた。


「今日からか・・・」


俺はさっちゃんに励ましのメールを送ろうと思っていたが、文章が思い浮かばずに断念した。


『今まで頑張ったんやから大丈夫!』


『頑張れ!』


・・・しっくりこないし。

あぁ、洒落たことの一つも言えんのか!


でもきっと俺なんか何も言わなくても実力を発揮できるだろうし、試験会場には先生たちが来てて、あいつもいるかもしれないし・・・。


あいつに励まされた方がいいはずだし。


はぁぁぁぁ。朝から大きなため息をついた。



結局、センター試験が終わっても、さっちゃんにメールはできなかったし、さっちゃんからもメールは来なかった。


俺は学校の休みを利用して、新生活の用意を始めていた。

あともう少ししたらこの家を出て一人暮しをする。

さっちゃんも京府大学に合格したら、一人暮しするんかな?


・・・あいつに告白するんかな?


俺は、告白もしないままで終わるのか?


ダメだとわかっていても、スタートラインに立つことくらいは許されるだろう。


俺は決めた。


さっちゃんの卒業式にの日に告白する!!


もう2度と会えないのを覚悟して!


って・・・・これで何度目だ?




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