スタートライン~私と先生と彼~【完結】
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高校を卒業して俺は一人暮らしをするようになった。
さっちゃんも一人暮し。
しかも俺のアパートから徒歩5分。
住む距離は縮まったが、俺らの距離はなかなか縮まらない。
高校時代とは違い、二人きりで食事へ行ったり、買い物へ行ったり、さっちゃんから何気ないメールもくれたりする。
それだけで満足している自分がいる。
でもまだ、あいつの事が気になっているような気がしているから、気持ちを伝えられない・・・。
今日は夕飯を一緒に食べに来ている。
さっちゃんはほとんど自炊しているみたいだが、たまに俺と外食をしてくれる。
「さっちゃんって、家で料理してるの?」
はっきりとは聞いたことはなかったので聞いてみた。
「うん」
「じゃあ、昨日は何を食べたの?」
さっちゃんが何を作るのかが気になった。
その流れで、手料理をご馳走してくれないかな?という下心もあった。
「えっとね、お味噌汁、肉じゃが、きんぴらごぼう、酢の物かな。きんぴらと肉じゃがなんて作りすぎて3日も食べたんやで!」
さっちゃん、素敵過ぎる!
「すげーな。料理できるんやね。作りすぎたなら、俺が食べてやるのに」
ほんま、めっちゃ食べるで!!何日でも食べます!!
「そう?ありがとう」
そう言うさっちゃんは、とても優しく微笑んでくれていて、俺の心は一気に温かくなる。
そんな俺の顔を見て、思い出したかのように俺に話し掛けてきた。
夏休みに帰省したら、手越さんに海に行こうと誘われているらしい。
もちろんいつものメンバー。
さっちゃんが行く所なら、俺はどこにでも行きますよ。
海って・・・水着だよな?
さっちゃんも着るのかな?
やばっ、想像するだけで鼻血出そう。