スタートライン~私と先生と彼~【完結】


お互いにバイトをするようになって1ヶ月。

さっちゃんのバイト先のケーキ屋へ行った。

というのも、母親と妹が遊びに来るから、ケーキの一つでも買っておこうと思って、買いに行った。

初めて見るさっちゃんの制服姿は、とても似合っていた。

黒と白のシックなデザインだが、少しだけレースがついたスカートがかわいい。

でもちょっとスカート短くないかい?

店内でケーキを食べることもできるらしく、女性客だけではなく、男性客も結構いる。


「制服似合ってるね」

「ありがとう」


ニッコリ笑って言ってくれた、さっちゃんは最高にかわいかった。

他に女の人もいたけど、さっちゃんが1番似合ってた。

俺はケーキを吟味して3個買って帰った。

母さんと妹は甘いものが好きで、しかもうるさいから真剣に選んだ。

さっちゃんがケーキを詰めてくれている時に、横から突き刺さるような視線を感じた。

俺が目を移すと、さっちゃんと同じデザインと思われる男性用の制服を着た、男が立っていた。

その男は俺と目が合うと、視線を逸らした。


なんだあいつ。


この時、俺はさっちゃんの学校の文化祭の時に感じた視線を思い出した。


あの時と同じや・・・。


ということは・・・あの男もさっちゃんの事が好きなのか??


俺がそんなことを考えていたら、さっちゃんがケーキを詰め終わっていた。


「ありがとう」


俺がさっちゃんからケーキを受け取ると、再びニッコリ笑ってくれた。


「また来てね」


それが営業スマイルとわかっていても、やっぱりかわいいんだよな。


「うん」


さっちゃんの笑顔には癒されたけど、やっぱり俺の中では、モヤモヤした気持ちが抜け切らなかった。

家に帰りながらも考えるのは、あの男のことばかり。


俺よりも年上だな・・・。


大学生か?家に着いてからもあの男の事を考えていたら、母さんたちが来た。

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