スタートライン~私と先生と彼~【完結】


結局、クリスマスは大学の男友達と飲むことにした。

クリスマスに男4人で飲むなんて、色気のないことなんだ。

俺はさっちゃんのバイト先のあの男のこと、最近のさっちゃんの様子を考えたら、飲まずにはいれなかった。

どうやって家に帰ったかも覚えていない。


ピンポーン♪


朝、部屋のインターフォンが鳴って起きた。

二日酔いだ・・・頭がガンガンする。部屋のドアを開けると、さっちゃんがいた。


「ケーキ貰ったんやけど、一人で食べ切れなくて」と言い、俺に箱を渡した。


「ありがとう」


素っ気なかったと思う。


二日酔いというのもあったが、昨日のさっちゃんの反応が気になって、今は会いたくないと思ってしまったのだ。


「じゃあね」


さっちゃんは、そのまま帰ってしまった。

そして俺は再び眠りに入った。

次に起きた時はすでに夕方で、腹が減っていたので、さっちゃんにもらったケーキを食べた。



【ケーキめっちゃおいしかったよ。ありがとう。】


メールは送ったものの、さっちゃんからの返信はなかった。


やっぱりもうダメなんかな?

不安がよぎる。

二日酔いで出たのはまずかったよな・・・さっちゃんは働いてたんやからな。

いくら不安になっても、謝らないまま離れるのは良くない。


俺はさっちゃんと連絡を取った。


いろんな言い訳を付けて断られるのかと思っていたが、そうではなかった。


嫌なら会ってくれないよな?ということは、まだ望みはあるのか?



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