スタートライン~私と先生と彼~【完結】
さっちゃんと付き合って一週間。
不安はあるけど、やっぱり嬉しい。
毎日がピンク色ってくらい楽しい。
今日は初めてさっちゃんの部屋に来ている。
やっぱりきれいだなぁ。
シンプルなんやけど、女の子の部屋だとわかる。
今日はさっちゃんがカレーを作ってくれたので、一緒に食べることになった。
さっちゃんの手料理はこれまで何度も食べてるが、さっちゃんの部屋で食べるのは初めて。
「めっちゃうまい!」
「ありがとう」
本当にめちゃくちゃ旨くて、3杯も食べてしまった。
食事も終わり、テレビを観ているが、内容は全く入ってこない。
緊張する・・・。
あっ、合コンの事を言わないと。でも言いにくいなぁ。
「さっちゃん・・・」
「ん?」
あぁ、今のかわいい。
「あのさ、金曜日に合コンがあって、数合わせに来いって言われてるんやけどさ・・・」
「いいよ〜。ただの数合わせやんな?」
「うん。もちろん」
すぐに『いいよ』と言われたことに驚くと共に、少しがっかりしたが、『ただの』の部分を強調していたように聞こえたので、妬いてくれてるのかと思い、嬉しかった。
「じゃあ、いいよ」
『いいよ』と言いながらも、顔は強張っている。
「怒ってる?」
さっちゃんの顔を覗き込んで聞いた。
「べ、別に・・・怒ってはないけど・・・ちょっと嫌だった・・・かな」
「ほんまに?」
ふふふ・・・めっちゃ嬉しいし!!
「ど、どうしたん?」
ニヤニヤする俺に、怪訝な表情で彼女は聞いてきたが、そんなことはどうでもいいんだ。とにかく、さっちゃんが嫉妬してくれたのが嬉しくて・・・・・・。
「さっちゃ〜ん!!」
俺は嬉しすぎて、さっちゃんに抱きついた。
「えっ?どうしたんよ?」
もちろん急なことで、さっちゃんの体は強張っていた。
「うれしい!」
さっちゃんの状況なんて気にもせず、俺は自分の感情だけを口にした。
「何が?」
そうだよね、わからないよね。
「さっちゃんが妬いてくれてるのが!」
「・・・・・」
恥ずかしそうに下を向いたさっちゃんの顔はもちろん真っ赤。
かわいいよ〜!!あー!我慢できへんよ!
「さっちゃん、こっち向いて」
さっちゃんが顔を上げた瞬間、俺はキスをした。触れるだけのキス。
あぁ、最高!
さっちゃんは真っ赤な顔をしている。
めちゃくちゃかわいいよ〜。
俺は再びさっちゃんを強く抱きしめた。
「さっちゃん・・・もう一回いい?」
自分で出した声が、やけに艶っぽくて、『俺、こんな声出せるんだ』なんて、冷静に分析している自分がおかしかった。
さっちゃんは、ゆっくり頷いてくれた。