スタートライン~私と先生と彼~【完結】
20:50
考えるより先に体が動いていた。
息を切らして駅まで走り、電車に乗る。
新幹線の最終まで30分。
ギリギリ間に合うか??
俺は今まで生きて来た中で、これほど必死に走ったことがないくらい、無我夢中で走った。
電車の中でも、いてもたってもいることができずに時計ばかり気にしていた。
電車を降りて、再び必死に走ったが・・・間に合わなかった。
「くそっ!!もうあかんのか?!」
周りを気にすることなく、大きな声で叫び、俺は頭を抱えた。
目を閉じて、体中に力を入れ、必死に頭を回転させた。
いや、まだ手段はある!
諦められるか!
あっ、夜行バスだ・・・。
思いつくと、俺は再びバス乗り場まで走った。
向かってくる人の波を避けて、走った。
まだ春休みでそのうえ、週末だから、混雑していたが乗れそうだ。
21:40発
着くのは6:40、そこから電車に乗り換えて30分。
沙知の家に着くのは7時過ぎ。
会ってくれるだろうか・・・。
俺は再び沙知の恋のスタートラインに立つことができるのだろうか?