スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「もうあかんか?」
「・・・・・・はい」
『好き』と言ってくれよ。
お願いやから・・・過去形じゃなくて、現在形で・・・。
言って欲しかった。『先生、好きです』
原田を駅まで送り、俺は家に帰った。
笑顔で帰ってくるはずだったこの部屋。
俺だけが・・・4年前に取り残されていたんだ。
俺は本気でない恋を何回もして、原田を忘れないようにしていた。
彼女は本気の恋を1度だけして、俺を忘れた。
俺は高校生の時、『好きでもない子と付き合わない』と断言していたのを思い出した。
あの時の俺なら、再び好きになってくれたかもな・・・なんて考えた。
彼女のことを考えながら、結局自分のことしか考えてなかった。
これはその罰なんだ・・・・・。