スタートライン~私と先生と彼~【完結】
俺は、いつの間にか眠っていたようだ。
しかも、沙知がひざ枕をしてくれている。
「寝てしまったんや・・・」
「うん」
「昨日、寝てなかったからなぁ・・・」
俺はそのままの姿勢で話した。
「そうなん?」
「バスの中でも、電車の中でも、会ってくれるか心配やったから・・・・」
沙知は、黙って俺の額にキスをしてくれた。
『ごめんね』という言葉が聞こえてきそうだった。
あっ、まだ話を聞いてなかった。
「さち・・・・」
「ねえ、隆、お昼ご飯にしよう」
沙知は、俺の言葉を遮って、言った。
「そうやね」
話はそれからにしよう。
お昼ご飯は沙知がオムライスを作ってくれた。
「やっぱりうまいなぁ」
久し振りに沙知の手料理を食べた。
「ありがとう」
「そう言えば、お母さんたちは?」
「今日は出掛けるって言ってたよ」
「そうなんや」
二人でこうやって食事をしていると、新婚さんみたいだ。
こんな生活、早くしたいなぁ。
片付けをしてから、話を再開した。