スタートライン~私と先生と彼~【完結】

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「遅くなって、ごめんね」

恵美は俺の考えも知らずに、嬉しそうにやって来た。

いつものように淡い色合いの服に身を包んだ恵美が目の前にいる。



この4年半で彼女は変わった。

真っ黒な髪は、明るいブラウンに染め、パーマがあてられ、ほとんどメイクをしていなかったが、今はバッチリメイクをしている。

俺は高校の時の飾り気のない彼女の方が好きだった。

目の前の彼女の変化に違和感を抱きながらも、俺は平静を装う。

この前のことは、気にしていないんだろうか・・・?

とりあえず、食事をしながら、別れ話を切り出すタイミングを伺っていた。

恵美のたわいもない話が続く。


君はなぜそんなに楽しそうに話してるんや?

俺はこの前、君にひどいことを言ったんやで?

俺は君とはもう付き合えないんやで?

言わないと・・・。

言わないと・・・。


俺は、出ては隠れる勇気を必死に、引っ張り出そうとしていた。


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