マリッジブルーをもっと青く!
武蔵、私、待ってた!

何だかいけそうな気がする!

今、私、千夏、人生でいちばんのフルパワー!


「千夏、ホントに待たせてごめん!1時間も!」
武蔵は心からすまなそうに謝ってくる。

『一時間?』少し引っかかる。今確かに武蔵は確かに1時間と言った。
緊張して1分が1時間にも感じるってことを武蔵は分かって言ったのか、それとも本当に1時間待ったのか・・・。

そんなことよりもこのフルパワーちなっちゃん、略してフルっちゃんはやる気満々!『素敵なお嬢さんねぇ』で始まり、マリンと戯れあうところまでのシミュレーションは完璧!

「武蔵、全然いいわよ!武蔵のご両親が私を気に入ってもらえるよう、頑張るわ!」
フルっちゃんとなった私は前のめりになりながら答える。フルっちゃんには恐いものはない!


「それが、今日は会いたくないっていうんだ!」
武蔵は私の目を見ずに言う。

「大丈夫!今日の私は無敵だから!絶対気に入ってもらうんだ!」
そう言って私は玄関に向かう。

「だから、千夏!違うんだって!母さんが今日は会いたくないんだって!」
武蔵は苛立ちながら少し大きな声で言う。

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