規格外の恋物語~12年目の恋物語 番外編(2)~
■4■
先輩が陽菜を好きなのだと気づいた時、
わたしにとって、先輩の存在は、特別でも何でもなかった。
だから、幼なじみの叶太(かなた)くんとの関係がこじれて、陽菜が悩んでいたとき、
2人を結びつけるために、先輩に手を貸してもらうことに、何の葛藤もなかった。
先輩は、陽菜のために、
陽菜には一言も想いを告げないまま、叶太くんに手を貸し、
2人を恋人同士に仕立て上げた。
潔い人だな、と思った。
胡散臭いなんて思って、
何考えてるか分からないなんて思って、
ごめんなさい、って思った。
でも、相変わらず、
陽菜への気持ち以外には何も読めないから、
やっぱり、何考えてるか分からない人だった。