規格外の恋物語~12年目の恋物語 番外編(2)~
「……ごめん。ムリ」
「何でですか?」
「キミが聞く?」
と、先輩は言った。
相変わらず、先輩の視線の先には陽菜がいて、陽菜の隣には叶太くんがいる。
だけど、先輩が陽菜を見つめる目は、ひたすらに優しい。
「いいじゃないですか」
「ん?」
「陽菜を好きなままで。……どうせ、叶わないんだから」
先輩は苦笑いを浮かべた。
「手厳しいね」
「自分でも分かってるくせに」
「そうだね」