規格外の恋物語~12年目の恋物語 番外編(2)~
先輩は、悲しそうでも、寂しいそうもない、穏やかな微笑を浮かべた。
あ、仮面付けた、って思ったら、悔しくなった。
「あのっ! わたしも、陽菜、大好きだから、」
いったい何を言い出すんだって感じで、
先輩が不思議そうな顔をした。
「先輩、わたしと一緒に、
陽菜の幸せを見守りましょう!!」
本気で言ったのに、先輩は、数秒後、またしても爆笑した。
「あははっ! 何それっ!!」
ちょっと、先輩、笑いすぎですよ。
人が真面目に告白してるのに。
だけど、先輩の笑いの発作は一向におさまる気配を見せない。
いったい、どれだけ笑ったら気がすむんだろう?
「もう。先輩、いい加減に笑うの、やめてくださいよ」
「……いや、それ、ムリだからっ!」
更に、しばらく待ったけど、笑いの発作はおさまらない。
いったい、どこのツボにはまったのやら。
「もう、いいです」
はあぁ、と珍しく、わたしは禁断のため息をついた。
幸せ、逃げちゃうじゃんか、先輩のバカ。