規格外の恋物語~12年目の恋物語 番外編(2)~
去年、中3の夏。
初めて男の子から告白された。
夏の大会で負けて、これで部活は引退だって……、
悔しくて泣いたあの日。
バスケ部の男子から、告白された。
みんなで泣いただけじゃスッキリできなくて、
体育館の外の水飲み場で、顔を洗うフリをして、
涙を洗い流そうとしていた、あの時。
男バスみんなで応援に来てくれていた、
その内の一人。
結局、中学三年間で、一度も同じクラスにならなかった、男の子。
同じバスケ部だったから、部活で話すことはあっても、
色っぽい雰囲気になんて、一度だって、なったことはなかった。
「残念だったな」
「……うん」
涙を見られたくなかった。
だから、長々、顔を洗い続けた。
心の中で、早くどっか、行ってよって、
ひそかに思いながら。
まさか、この後に、
あんな台詞が飛び出すなんて、思ってもいなかった。