規格外の恋物語~12年目の恋物語 番外編(2)~
わたしのぶしつけな視線を感じたのか、先輩はわたしの方を見た。
「あ、すみません!! あんまり先輩がカッコいいんで、思わず見とれてました」
超絶率直な言いわけをしたら、先輩は目を丸くして、それからくすりと笑った。
笑うと、表情が一気に軟らかくなる。
ああ、本当にカッコいい。
この笑顔に夢中になる女の子、たくさんいるだろうな。
そう思った。
「はじめまして。2の1の羽鳥です」
「あ! はじめまして。1の8の寺本志穂です!」
いかにも体育会系って感じで気合いを入れてフルネームを名乗ると、先輩はまた笑った。
感じがいい人だと思いながらも、
どこか目の奥が、本気で笑っていない気がして、
得体が知れない人だとも思った。