♀ my prince ♂
「…てかさー、ほんと仲良いよね?」
夏凛ちゃんが私たちを見ながら言う。
「へっ…そう?」
「うんっ!渡部くんもそう思うよね?」
夏凛ちゃんは隣に座る亮くんを見た。
「うん、思う思う。で、そんな二人に質問していい?」
そう言う亮くんの顔は…何故か少しニヤニヤしている。
「別にいいけど。んで…質問って何?」
私より先に玲央くんが答えた。
な、何か…嫌な予感がする…。
「二人は……どこまでヤった訳?」
そんな私の予感は…見事に的中―…。
「えぇぇっ!?」
予想していた質問とはいえ私は思わず大声をあげてしまった。
た…単刀直入すぎるってば…っっ!!
「どこまでって…何もしてないけど?」
「あっそうなんだ。玲央にしては意外だな。」
慌てる私をよそに、こんな会話を繰り広げる玲央くんと亮くん。
「え、えっ…!?なにそれ…?」
意味分かんない…。なんの話してるの!?二人で…。
その会話の意味が分からず私の頭の中はパニック寸前。
「そっか。未亜ちゃん知らないよね…?実はこいつ…案外、手出すの早いんだよ」
「「えぇ~っ!!」」
亮くんの爆弾発言に私と夏凛ちゃんは驚きの声をあげた。
「あれ…?小嶋さんも知らなかった?」
亮くんは夏凛ちゃんを不思議そうな顔で見る。
「うん。だけど噂では聞いてたよ?でもそれ…本当だったんだ…」
えっ…!?夏凛ちゃん、知ってたの…?
「でも私…そんな話、聞いたことない…」
「ごめんね、未亜ちゃん。何だか真実味がなかった話だから…未亜ちゃんには言わなかったの」
夏凛ちゃんは私に申し訳なさそうに言葉を紡いだ。
そう、なんだ…。だから夏凛ちゃんは…教えてくれなかったんだ…。