♀ my prince ♂
「ううん。別に夏凛ちゃんが謝ることじゃないよ」
「ありがと。けど未亜ちゃん!襲われないように気をつけて!!」
夏凛ちゃんは両手で私の手をしっかりと握りしめた。
「ぅ……うん…」
頼もしいよ…夏凛ちゃんは。だから本当に頼っちゃう。
「それってさー…未亜ちゃんとはヤるなってこと?」
夏凛ちゃんの行動に少し不機嫌そうな顔をする玲央くん。
あ…また始まっちゃうのかな…?二人の戦い…。
「別にそうゆう意味じゃないもん。未亜ちゃんがいいって思うなら、してもいいんじゃない?ってこと」
「あっそ」
夏凛ちゃんが弁解すると玲央くんはかなり素っ気ない返事をした。
「…~ッ!!何か今のムカつくっ!!」
「まぁまぁ。押さえて押さえて」
玲央くんを叩こうとした夏凛ちゃんを亮くんが止めに入る。
「てかまた単刀直入に聞くけど…未亜ちゃんは嫌なの?そうゆうの」
「へっ!?あっ…う~ん…」
またも単刀直入な亮くんからの質問に…すごく戸惑ってしまう。
だって…そんなことを聞かれても…。
「……分かん、ない…」
言いながら俯いた。
全然分からないんだもん…。
玲央くんのことは好き、だけど…
でもやっぱり…よく分からない…。
「分かんない…!?ってことは…経験ないんだ?」
「//…っ」
続けてそう聞かれて黙って頷いた。
「未亜ちゃんは純粋だね。玲央ー、大事にしろよ~」
亮くんが玲央くんの肩を叩く音が聞こえ始める。
「そんなの分かってるって。つか…痛いんだけど」
「あぁそっか。ごめん、ごめん」
玲央くんに言われて亮くんは叩くのを止めた。
「…あ。ねぇねぇ!もうすぐカウントダウン始まるよ!!」
「あっ、ほんとだ!」
夏凛ちゃんがテレビに向かって指を差す。
すると亮くんもテレビの方を向いた。