♀ my prince ♂




「ううん。別に夏凛ちゃんが謝ることじゃないよ」



「ありがと。けど未亜ちゃん!襲われないように気をつけて!!」


夏凛ちゃんは両手で私の手をしっかりと握りしめた。



「ぅ……うん…」




頼もしいよ…夏凛ちゃんは。だから本当に頼っちゃう。




「それってさー…未亜ちゃんとはヤるなってこと?」


夏凛ちゃんの行動に少し不機嫌そうな顔をする玲央くん。




あ…また始まっちゃうのかな…?二人の戦い…。




「別にそうゆう意味じゃないもん。未亜ちゃんがいいって思うなら、してもいいんじゃない?ってこと」



「あっそ」


夏凛ちゃんが弁解すると玲央くんはかなり素っ気ない返事をした。



「…~ッ!!何か今のムカつくっ!!」



「まぁまぁ。押さえて押さえて」


玲央くんを叩こうとした夏凛ちゃんを亮くんが止めに入る。



「てかまた単刀直入に聞くけど…未亜ちゃんは嫌なの?そうゆうの」



「へっ!?あっ…う~ん…」


またも単刀直入な亮くんからの質問に…すごく戸惑ってしまう。




だって…そんなことを聞かれても…。




「……分かん、ない…」


言いながら俯いた。




全然分からないんだもん…。


玲央くんのことは好き、だけど…
でもやっぱり…よく分からない…。




「分かんない…!?ってことは…経験ないんだ?」



「//…っ」


続けてそう聞かれて黙って頷いた。



「未亜ちゃんは純粋だね。玲央ー、大事にしろよ~」


亮くんが玲央くんの肩を叩く音が聞こえ始める。



「そんなの分かってるって。つか…痛いんだけど」



「あぁそっか。ごめん、ごめん」


玲央くんに言われて亮くんは叩くのを止めた。



「…あ。ねぇねぇ!もうすぐカウントダウン始まるよ!!」



「あっ、ほんとだ!」


夏凛ちゃんがテレビに向かって指を差す。
すると亮くんもテレビの方を向いた。





< 102 / 203 >

この作品をシェア

pagetop