♀ my prince ♂
smile.20
嘘からの真実
―それから。
玲央くんがお仕事に行き始めて数週間が経った。
時刻は、P.M.8:00すぎ。
「はぁ…」
たぶん今日も遅いんだろうなぁ…。
最近特に遅く帰ってきてるみたいだし。
私はそう思いながらソファに座りテレビを眺めていた。
「ん…?あれ…!?玲央くん…?」
何だか人の気配がして振り向いてみると…私のすぐ傍に玲央くんが立っていた。
え…ま、待って…!?ドア開いた音、したっけ…?
「ただいま。」
だけど玲央くんはいつもの笑顔を見せる。
「おかえり…今日早いね?」
「うん、早く終わったから」
そう言うと私の隣に腰掛けた。
「それより未亜ちゃん、最近…何か変だよね?」
ギク…ッ
「へ…っ!?そっそんなこと…ないよ…?」
玲央くんの言葉に明らかに動揺。
「っ…。」
それはすぐさま玲央くん伝わり…彼はテレビを消して私を見つめた。
「それ…嘘でしょ?俺さー、ちゃんと知ってたよ?未亜ちゃんの様子がおかしいの。だから嘘つかないで、ちゃんと答えて?」
「…っ」
玲央くんは真剣でもあり優しい目を私に向けてくれている。
そんな彼に私は涙が零れ落ちそうになるのを必死で堪えた。
玲央くん…何で気づいちゃうの…?必死に隠していたつもりなのに…。
「……あの、ね…?
自分が言ったことなのに…すごい矛盾してるんだけど…
やっぱりこのお部屋に一人は…寂しいよ…」
「未亜ちゃん…」
「だけど…こんなの、ただのわがままだし…玲央くんはお仕事頑張ってるんだから…絶対に言っちゃダメだって思って…。ごめんね…?」
「ううん。もう全部言った…?」
「…っっ」
玲央くんからの問いに私は首を左右に大きく振った。