♀ my prince ♂
「なに…?」
玲央くんは優しい表情でそう言う。
「あの…最近ね…?玲央くんが他の女の子と喋ってるのを見るのが…すごく嫌なの…っ」
「え…?」
「でもそんなの…今までも沢山あったのに…今さらこんなこと思うなんて変だよね…?それに、そんなこと言っちゃったら…っ」
ここまで言った所でずっと堪えていた涙が私の目から零れ落ちる。
「…玲央くんにっ…嫌われるんじゃないかと思って…ずっと言えなかった…だって私…玲央くんが大好き…っ」
ぎゅ…っ
「っ…!」
話の途中、玲央くんに抱き締められた――。
「そんなこと言ったって…嫌いになんてならないのに…」
「へぇっ…」
「てかそれさー、嫉妬じゃない?」
「しっ、と…?」
「うん。少なくとも俺は…そう思うよ。それに…―」
「っ……!!!」
そこまで言うと抱き締める力が強くなる。
「―…俺だって嫉妬ぐらいするし。特に…亮のこと褒めてる時とか」
その玲央くんの声は…いつもより真剣な声のように感じた。
「っ…!」
ってことはあの時も…“嫉妬”してたのかなぁ…?
「あ、それと…今日でもう終わったから。今まで本当にごめんね?寂しい思いさせて…」
玲央くんはそう言って私を少しだけ離す。
その行動で彼と私の視線が絡み合う―。
ちゅ…っ
そして…どちらともなく唇を重ねた――。
「ねぇ、玲央くん…」
「んん?」
「あの…えっと…//」
私は思わず下を向く。
「何~?何でも言ってよ」
私はその声だけで玲央くんが笑っていることが分かった。