♀ my prince ♂
「改めまして、弟の漣(れん)です。よろしく」
「うん。こちらこそ…よろしくね…?」
「てか兄貴~、中入っていい?」
「別にいいけど?」
「んじゃあ、お邪魔しまーす」
彼からお許しが出ると漣くんはズンズン中に入っていく。
そのあとを追うように玲央くんと私も続いていく―。
何か…大物の匂いがする…。
「…それより漣、何でいんの?」
すでにカーペットの上に座っている漣くんに玲央くんはそう聞く。
そんな玲央くんもカーペットに座り、その隣に私も腰を下ろした。
「何でって今日入学式だから。で…さっき終わったとこー」
「え。じゃあ漣くん、高1なんだ?」
「うん、そうっ!」
笑ってそう言った顔が玲央くんそっくりだった。
やっぱり兄弟だなぁ~。めちゃめちゃ似てるっ!!
「でさー、何でここ来るわけ?」
「そんなの…未亜ちゃんが見たいからに決まってんじゃんっ!兄貴、なかなか会わしてくんねんだもん」
「ふーん……あっそう」
玲央くんの返事は…ものすごく呆気ない。
んん…!?何か冷たくない…?
「それより…手ぇ出したりすんなよ?」
「分かってるって~」
「っ…」
えぇ…っ!?ま、待って…!!何!この会話っ!!
私には…この兄弟の会話が理解出来ない。
「てかさー、聞きたいことあんだけど」
漣くんが玲央くんに質問。
「何?」
「二人って…付き合ってどのくらい?」
「もうすぐ、8ヶ月だけど?」
「…っ」
玲央くんの答えに私は二回頷く。
「じゃあさ…何回ヤった?」
「ふえ…っ!?」
漣くんの衝撃的な質問に私は思わず大声を上げてしまった。
私、初対面なのに…普通そんなこと聞く…!?