♀ my prince ♂
「だったらいいじゃん。それに母さん…未亜ちゃんに会いたがってたしねー?」
「えっ…そうなの?っていうか…私のこと、知ってるの…?」
「はい。奥様には私(わたくし)が…ご報告しておりますので」
「え…そうなんですか…?」
玲央くんの言葉を不思議に思うと宮崎さんがそう言ってくれる。
そのことに私は少し驚いた。
「はい。」
「……」
そう、なんだ…。玲央くんはちゃんと…私のこと、お母さんに話してたんだ…。
「じゃあ決まり。で、何時に行けばいい?」
玲央くんは宮崎さんにそう聞く。
「それでは。1時半にお迎えにあがりますので…一階の玄関まで来て頂けますか?」
「うん、分かった。再来週の土曜日の1時半…だよね?」
「はい。それでは…私はこれで…失礼いたします」
宮崎さんはお辞儀をして部屋から出て行った―。
……。
「ねぇ、玲央くん…」
「んん?」
「玲央くんのお母さんって…どんな人?」
「ん~…普通じゃない?」
「えぇ~…それじゃ分かんない~…っっ」
そんなの全然分かんないじゃん…っ!!
「何で?そんなに気になんの?」
玲央くんの発言に…不安な気持ちが押し寄せ始める。
そんな私を見た玲央くんは少し心配そうに聞いてきた。
「うん…っていうか…今から緊張、するかも…っ」
だって初めて会うんだよ…!?
当たり前だけど私…こうゆうの経験したことないんだもん…。
「大丈夫だって!俺もいるんだし。未亜ちゃん一人じゃないじゃん。」
「そう、だけど…」
言いながら徐々に俯いていく。
だけど不安なの…。
好きな人のお母さんには気に入られたいって思うでしょ…?
それを私が出来るかどうか…それが分からなくって怖い…。
玲央くんは相変わらず自信満々だけど…
私にはそんな自信なんて…全然ないの…。