♀ my prince ♂
「じゃあ…、」
「っっ…!」
それだけを言った玲央くんが私を抱き締める。
「…これでもまだ不安?」
「…っ」
“うん”って言う代わりに頷いた。
不安だよ…。不安すぎる…。もしも“ダメな子”だなんて思われたら…っ
「だいじょーぶ。俺の母さん…全然怖い人じゃないから。」
「ほんとに…?」
「うん、ほんと。まぁ…悪さしたら普通に怒られたけど。」
「っっ…」
“ぎゅ…っ”と玲央くんに抱きついた。
玲央くんがそう言うなら…玲央くんを信じる…。
「てかさー…さっきの続きする?」
「ぇ…続き…?」
言いながら私を離す玲央くん。
その意味が分からずに聞き返した。
「うんっ」
「っっ…」
元気よく返事をして悪戯な笑みを浮かべた彼は段々と私に近づいてくる。
“もっといる…?”
ああ…っ!!!!
「//…し、しないっっ」
何かが分かった私は玲央くんから顔を背けた。
「……なーんだ。じゃあこうする」
そう言った次の瞬間…
ぎゅ…っ
再び玲央くんに抱き締められた―。
「そんなに心配しないで…?」
「うん…っ」
玲央くん、私がまだ不安なの…分かったのかな…?
だからこんなこと…言ってくれたの…?
『…玲央くん大好き…っ』
聞こえるか聞こえないか分からないぐらいの小声。
そう呟くように言ったと同時に私も彼を抱き締めた。
「……聞こえてるよ?」
「え…!?」
だけど彼には聞こえていたらしく…ほんとに驚いた。
「俺も…大好きだよ…?」
「///……っ」
そして…さらに強く抱き締められる―。
玲央くんのこと…本当に信じてるからね…?
玲央くんがいれば…私はきっと大丈夫だから…。