♀ my prince ♂
smile.22
再び、あの家へ
―今日は。
いよいよ玲央くんのお家に行く日。
「どう…?大丈夫、かな…?」
「っ……うん。じゃあ行こ。」
私は玲央くんから貰ったワンピースを着て部屋を出る。
すると彼は…それだけを言って玄関の方へと歩き出した。
……??
「うん…。てか玲央くん…顔赤くない?」
私は追いかけながらそう聞く。
「気のせいじゃない?」
「えっそう?そんな感じには見えなかったよ?」
「なら言ってあげようか?でも言ったら未亜ちゃんが真っ赤になると思うけど…いいの?」
「へっ…?どうゆうこと!?分かんないっ」
玲央くんが靴を履きながら言うのを私はショートブーツを履きながら彼を見上げた。
「前の時より…可愛いなって思っただけ」
「//…!」
玲央くんの意外な答えに私の体温はみるみる上昇。
「ほら。言った通りじゃん」
「っ…」
そう言われたあと玲央くんに手を握られ一階へと降りていく。
寮のエントランスを抜けると迎えの車がもうすでに来ていた。
「…玲央様、未亜様。お待ちしておりました」
宮崎さんは私たちにお辞儀をして車のドアを開ける。
「ありがとう。乗ろっか」
「うん……あ!待って、玲央くんっ」
玲央くんが車に乗り込もうとした所を私は引きとめた。
「何?どうしたの?」
「私、何も買ってない!」
「いいって、別に。」
「よくないよっ!!」
普通にそう言っちゃう彼に私は必死になっ反論。
「じゃあ何買うの?」
「でしたら…あちらのシュークリームなんていかがでしょう?」
「え…?あ!それがいいっ!!じゃあ私、行って来るね?」
玲央くんに質問されたことを宮崎さんが手を差し出しながらそう言う。
二人して示された方向を見て私はそのお店に向かおうと一歩を踏み出す。