♀ my prince ♂
―数十分後。
シュークリームを買えた私は宮崎さんの運転する車に乗り込んで無事に玲央くんのお家に到着。
「っ…」
来るの2回目だけど…やっぱりおっきいなぁ…
なんて再確認してしまう。
ガチャ…ッ
「ただいまー」
「…玲央!お帰りなさーい」
玲央くんがドアを開けると奥からお母さん(らしき人)が現れた。
「あらっ!こちらが未亜ちゃん…?」
「は…初めまして。鈴村 未亜です」
玲央くんから私に目が移されて私は挨拶をする。
「玲央の母です。いつも玲央がお世話になって~」
「い、いえ…!私の方がお世話になってるっていうか…っ」
「ふふ。本当に可愛らしいお嬢さんね?」
「えぇ…っ!?」
玲央くんのお母さんは優しく微笑む。
「そ、そんなことないですよ…!!てかあのっ…これ…」
私は買ってきた物を玲央くんのお母さんに手渡した。
「あらっ!ごめんなさいね~。気を遣わせてしまって…。ささ、中に上がってちょうだい?」
「はい。…お邪魔します」
そう言って家の中に足を踏み入れて、
どこかに向かい長い長い廊下を歩いていく。
「未亜ちゃんは確か…一度うちに来たことがあるのよね?」
一歩先を歩く玲央くんのお母さんに話しかけられた。
「ぁ、はい…。大晦日に…お邪魔しました」
「そうよね~!玲央から話は聞いていたの。その時会えていたら…って後悔したのよ~」
「え…そうなんですか?」
「そうよ~。なのに、うちの人が急に“旅行いく”とか言い出しちゃって…。
あっそうだ、玲央!玲央にお客様来てるわよ?」
「客…?誰それ?」
「まぁまぁ。ここで待ってるから」
そう言った玲央くんのお母さんはある部屋の扉を開けた―。