♀ my prince ♂




「あ…!玲央っ!もうどこに行っていたの!?」


その部屋の中から玲央くんのお母さんが姿を現す。



「ごめん、母さん。ちょっと色々あって」



「ごめんじゃないでしょう!?色々って何…!?未亜ちゃんのご家族、待たせていたのよ!?」



「っ…!」




うわっ…ほんとにいるんだ…。




玲央くんのお母さんの話を聞いてその事実は確信へと変わった。



「もういいんですよー、私たちのことは~」



「っ…!!!」


すると、そう言う聞き覚えのある声が段々と近づいてくる。
声の方を向くと…お母さん、お父さん…そして美久の姿を発見した。



「それより未亜!何で今まで言わなかったのっ!?里原財閥のご子息とお付き合いしていること!」



「ごめん、なさい…言うタイミングが…なくって…」


迫力のある声のお母さんに私はそう言わざるを得ない。



「もうお母さん、ビックリしたんだからね!?突然、里原さんからお電話頂戴して~」



「はい…すみません…」


別に悪いことなんてしてないのに私はまた謝る。
だってお母さんの凄みには勝てないんだもん…。



「…で。こちらが玲央くん?」


私の時とは明らかに違うにこやかな態度で隣に立つ玲央くんを見るお母さん。



「あっ、うん…」




お母さん、切り替え早すぎる…っ




「初めまして。里原 玲央です」



「未亜の母です。いつも未亜がお世話になって~」



「いえいえ。」


そう言った玲央くんは、いつもの王子様スマイルを炸裂させている。



「……」




玲央くん…やっぱり慣れてるのかな…?こうゆう…挨拶みたいなやつ。




あまりにも自然すぎる玲央くんを見てそんなことを思ってしまう。





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