♀ my prince ♂
smile.25
転入生、参上。
―週明けの月曜日。
私はいつもの様に玲央くんと学校に向かっていた。
「……」
それにしても…昨日は大変だったなぁ…。
玲央くん…ほんっとに怒られてたんだもん!
「ん…?何?」
なーんて玲央くんの横顔を見て思っていると、
その視線に気づいたらしい彼が私の方を向く。
「えっ…ううん…何でもない」
“昨日は大変だったね?”…なんて言えるわけないっっ!!
「ふ~ん。てかさー…何で昨日、俺だけめっちゃ怒られたわけ?」
「えぇ…っ!?さぁ~…何でなんだろうね?」
不服そうな玲央くんに私は苦笑いで答える。
そりゃあ約束を最初に破ったのは玲央くんの方だもんっ!!
お母さんに、こっぴどく怒られて当然だよ…っ!!!
「っ…!」
『…未亜ちゃんも同罪なのにね?』
「///…っ!!な、何でそうなるの…っ!?」
すると玲央くんは私の髪を耳にかけ吐息混じりに甘く囁いた。
そんな行動と言葉に…私の身体は勝手に体温が上がっていく。
「だってそうじゃん。ほんとは気持ちよかったくせにさ。」
「////…もう!朝からそんな話しないでっ!!」
「はいはい」
「……~~っ!!」
その返事、絶対分かってない…っっ!!
「……ぁ。そういえば今日―…」
玲央くんが何かを言いかけた時―、
「みぃ!……未亜!」
どこかで聞き覚えのあるような声で呼ばれた気がして声のする方に振り向く。
「おーいっ!」
「え…っ!?翔(しょう)くん…?」
その人物が手を大きく振りながら、こちらへ向かってくる。
段々と記憶を取り戻した私は驚きながら彼の名前を呼んだ。
「そうそう!みぃ、元気だったか~?」
ぎゅ…っ
「っ…!!」
そう言いながら真正面までやって来た彼に…いきなり抱き締められた。