♀ my prince ♂
そ、そんなに有名なんだ…。玲央くんと亮くん…。
「で。何でその王子様と、みぃが一緒にいるわけ?」
「あの、それは…っ」
「俺の彼女なんだけど。」
再び紹介しようとしたら今度は低く相手を挑発するかのような声の玲央くんに割り込まれた。
「っ…」
怖いよ、玲央くん…。声が超ー怒ってる…っ!!
「うっそだー!!それ、まじで言ってんの?」
翔くんは彼の発言に半信半疑な目を私に向けてくる。
「そ…そうだよ?玲央くんは……私の、彼氏…」
「……。」
私がそう言うと翔くんは少し険しい表情になり小声で何かを呟いた。
「へっ…?何か言った?」
「ううん、何でもない。てか俺…今日から転入すっから、この学校に。」
だけどすぐ、キラキラな笑顔に戻ってそう言った。
「え…!?あ、そうなんだ!だから、ここにいたんだね?」
「うん。それと…みぃと同じクラスだった」
「えぇ…っ!?何でもう知ってるの!?」
翔くんの発言に驚く。
「さっき名簿見たら名前載ってたもん」
「あっ…そう、なんだ…」
また痛い視線、感じるんですけど…。
「じゃあ俺、先行くから!また教室で~」
そう言い残し翔くんは去っていった。
「……」
まさか…翔くんがこの学校に転入してくるなんて…。
「…ねぇ、未亜。何なの?あいつ」
「っ…!!」
そう言いながら彼は私の肩に腕を回してくる。
その言動にかなり驚きながら彼の方を向いた。
今の行動にもビックリだけど…名前…外で呼び捨てだった…。
こんなの初めてだよ…。変にドキドキしちゃうじゃん…っっ
「あ、あのね…?
あの子は、三波 翔(みなみ しょう)くんって言って…私と小・中学校が同じだったんだけど…中2の時に、お父さんの仕事の都合でアメリカに引っ越しちゃって…」