♀ my prince ♂
smile.26
不安と複雑な感情
―5月。
二人が転入してきて約2週間が経った。
「はぁ~…」
何で、なのかな…?
玲央くんと歩実ちゃんが喋っている所を見ると…何だか嫌な気分になる…。
「はぁ~…」
何でなんだろう…?っていうか。そう思う自分も…嫌だよ…。
「…あちゃん……未亜ちゃんっ」
「へぇ…っ!?」
夏凛ちゃんの呼ぶ声で私は我に返った。
「どうしたの?さっきからため息ばっかりついて」
そう言う夏凛ちゃんは…心配そうな顔で私を見ている。
ちなみに今はお昼休み中で学校の食堂でご飯を食べている。
「えっ私…ため息ついてたの?」
「ついてた、ついてた。それにボケっとしちゃってて…ほら。ご飯、半分しか食べてないじゃんっ」
「ぁ…」
夏凛ちゃんは私の食べていたご飯を指差す。
指摘されてた私もそれに目を向ける。
ほんとだ…。
「ねぇ…何かあったの?私でよかったら何でも聞くよ?」
「…っ」
優しくそう言ってくれる夏凛ちゃんは本当に私のことを心配してくれている気がした。
夏凛ちゃんにならこの気持ち…話しても大丈夫…だよね…?
「…あのっ……あのね…?」
意を決して話し出そうとした瞬間―。
「…未亜ちゃん、夏凛ちゃーんっ」
「あ、歩実ちゃん!…どうしたの?」
そう、呼ぶ…歩実ちゃんがやって来た。
「ううん~?特に何もないよ。それより…ここ座ってもいい?」
夏凛ちゃんにそう言って彼女の隣りの席を指差す。
「あっうん、私はいいけど…未亜ちゃん、いい?」
「ぅ、うん…いいよ。」
歩実ちゃんを見たあと私を見た夏凛ちゃんに笑ってそう答えた。
…ううん。本当は…作り笑いだったかもしれない…。
「じゃあ、お邪魔しまーすっ」
明るくそう言って歩実ちゃんは席に着く。