♀ my prince ♂
【Other side】
―あれから。
約1週間という月日が流れた。
あの日…二人に話したことは事実。
だけど…
「っ…」
まだ少し辛くて泣きそうになったりする。
って、だめだめ…!
私がまだこんな気持ちだってバレたら…それこそダメだから…!
誰がどこで見てるのかなんて分かんないんだし…。
そう思いながら学校の廊下を歩いていた。
「ぁ……白石さん…?」
「あ…えっ、と……三波くん、だっけ…?」
そう呼ばれる声が聞こえた気がして顔を上げてみると、
私と同じ日に転入してきた、三波 翔くんが立っていた。
「うん、そう。てかどうしたの?そんな悲しい顔なんかして…」
「へっ…!?私、そんな顔してた?」
私は三波くんの言葉に驚いた。
「うん。してた、してた。何かあった…?俺でよかったら聞くよ…?って、ごめん。ほぼ初対面の俺なんかに…言えることなんてないよね?」
「…っ」
三波くんは優しい声と共に苦笑いを連れている。
「てか、ごめんね?引き止めたりして。じゃあ…」
「ぇ…」
彼はそう言い私の横を通り過ぎようとする。
このままでいいの…?このまま…あの“二人”と、ちゃんと接せられる…?
ガシ…ッ
「……待って。」
気がつくと三波くんの腕を掴んでいた。
「え…?どうしたの…?」
「話……聞いてもらってもいい…?」
突然のことで驚きの表情を見せる彼にそう告げた。
何でか分からないけど…
三波くんになら私の気持ちを話せる…そう思ったんだ…―。