♀ my prince ♂
「へっ…!?三波、くん…?」
「俺もさ…ずーっと、みぃが好きだったんだ…。
だけど親の転勤でアメリカ行くことになっちゃってさ…。でも戻ってきたら、またみぃに会えて嬉しかった。まじで本当に…。
だけど…そん時にはもう…みぃの隣には里原がいて…俺、すっげぇ悔しかった。“何で俺じゃないんだよ!?”って…本気で思った。
でもさ…俺、分かったんだ。俺は…里原には敵わないって」
「ぇ…?」
「だってその証拠に、今のみぃってさ…俺が今まで見たことないくらいの笑顔で笑ってんだ…。それも、里原にだけ。だから俺…もう決めたんだ…」
三波くんは私の身体を少しだけ離した。
「みぃを…2人を見守るって…。あっでも…みぃに辛い思いさせたら…そん時は奪う気満々だけどね」
「あはは……そっか。」
悪戯っぽく笑う三波くんを見て私も笑みがこぼれた。
「うん。てかごめんね…?こんなことしちゃって…」
申し訳なさそうに謝る三波くんの手が私の両肩から完全に離れる。
「ううん…。ぁ…ねぇ、三波くん」
「ん…?何?」
「三波くんは……もう大丈夫?」
「……。ううん…まだ無理っぽい。白石さんは…?」
「……。うん…私も、おんなじ…」
「そっか…。俺らって…何だか似てるよね?」
「うん…。そんな気がする…っ」
ついさっきまで…
悲しい気持ちが大半を占めていたのに、
三波くんに全部、打ち明けたことで…
少しは楽になったような気がする…。
もしかしたら三波くんも…そう思っているかもしれない…。
そうだと…私も嬉しいなぁ…。ありがとう…三波くん…。