♀ my prince ♂
―そうして。
宮崎さんの運転する車を降り玲央くんとの時間をすごす。
今まで一緒に行ったことがある所へ行ってみたり、
ご飯を食べたり…他愛もない会話もたくさんした。
『また玲央くんと来たいな…』
「来れるよ。」
「え…」
小さく呟くとそれに反応する玲央くん。
私はそれに少し驚いた。
「だって永遠の別れじゃないんだから。」
そう言ってフワッと優しく笑う。
「うん…また来ようね…?」
そんな時間から数時間後―。
「え…」
玲央くんのお家に着きリビングに行って驚いた。
そこにはご馳走が並んでいたのと…夏凛ちゃん、亮くん、
歩実ちゃん…そして玲央くんの家族まで勢ぞろいしている。
「こんなことしなくていいってば…」
玲央くんは呆れた声でそう言う。
「いいじゃない、別に~。さぁさぁ!二人とも座ってー」
玲央くんのお母さんに促されて私たちは席に着く。
「それじゃあ、玲央の旅立ちを祝して~…かんぱーい!」
「「かんぱーいっ」」
亮くんの掛け声でパーティーは始まった。
「ねぇ未亜ちゃんっ」
「ん…?なぁに…?」
歩実ちゃんに声をかけられて彼女に目を向ける。
「未亜ちゃんはさ…玲央のどこが好きになったの?」
「えぇっ…!?言わなきゃダメ…?」
だけど彼女の発言に私は驚いた。
「だって私、聞いたことないんだもんっ!」
「えぇっ、と…」
「あ!確かそれって…笑顔じゃなかった?」
「//…もうっ!!夏凛ちゃん言わないでよ~…恥ずかしいじゃんか…///」
言えずに困っていると…夏凛ちゃんがそう言ってしまう始末。
「だって未亜ちゃん、言えそうになかったんだもん!」
「//…っ」
私はいつもこんな感じ。みんなに遊ばれて…。
だけどこのメンバーでいるのは…本当に楽しい。
明日から“一人”減ってしまうなんて…信じられないよ…。