♀ my prince ♂




―そうして。


宮崎さんの運転する車を降り玲央くんとの時間をすごす。


今まで一緒に行ったことがある所へ行ってみたり、
ご飯を食べたり…他愛もない会話もたくさんした。




『また玲央くんと来たいな…』



「来れるよ。」



「え…」


小さく呟くとそれに反応する玲央くん。
私はそれに少し驚いた。



「だって永遠の別れじゃないんだから。」


そう言ってフワッと優しく笑う。



「うん…また来ようね…?」




そんな時間から数時間後―。




「え…」


玲央くんのお家に着きリビングに行って驚いた。


そこにはご馳走が並んでいたのと…夏凛ちゃん、亮くん、
歩実ちゃん…そして玲央くんの家族まで勢ぞろいしている。



「こんなことしなくていいってば…」


玲央くんは呆れた声でそう言う。



「いいじゃない、別に~。さぁさぁ!二人とも座ってー」


玲央くんのお母さんに促されて私たちは席に着く。



「それじゃあ、玲央の旅立ちを祝して~…かんぱーい!」



「「かんぱーいっ」」


亮くんの掛け声でパーティーは始まった。



「ねぇ未亜ちゃんっ」



「ん…?なぁに…?」


歩実ちゃんに声をかけられて彼女に目を向ける。



「未亜ちゃんはさ…玲央のどこが好きになったの?」



「えぇっ…!?言わなきゃダメ…?」


だけど彼女の発言に私は驚いた。



「だって私、聞いたことないんだもんっ!」



「えぇっ、と…」



「あ!確かそれって…笑顔じゃなかった?」



「//…もうっ!!夏凛ちゃん言わないでよ~…恥ずかしいじゃんか…///」


言えずに困っていると…夏凛ちゃんがそう言ってしまう始末。



「だって未亜ちゃん、言えそうになかったんだもん!」



「//…っ」




私はいつもこんな感じ。みんなに遊ばれて…。
だけどこのメンバーでいるのは…本当に楽しい。


明日から“一人”減ってしまうなんて…信じられないよ…。





< 187 / 203 >

この作品をシェア

pagetop