♀ my prince ♂
私は今…
送り出してくれた三人の元にいる。
外に出て駐車場の方へと歩いていた。
「大丈夫…?」
そう聞くのは歩実ちゃん。
「うん…大丈夫…っ」
「無理してない…?」
次は夏凛ちゃん。
「うん…。だって玲央くんは…知っている人が誰もいない所で…これから頑張るんだもん。だから私も…頑張らなくちゃ…っ」
「未亜ちゃん…」
「そうじゃないと…玲央くんと釣り合わなくなっちゃう…」
“へへへっ”と二人に笑って見せた。
「……強くなったね?」
「え~…?夏凛ちゃんには負けるよ~!」
夏凛ちゃんにそう言われて笑ってそれを否定する。
「そうじゃなくって……心が」
「こころ…?」
夏凛ちゃんの言葉で頭の中に?が浮かんだ。
「うん、そう…心。未亜ちゃん…強くなったよ。私よりもずっと…」
「私も…強いなって思うよ?」
歩実ちゃんにもそう言われた。
「そう、なのかな…?」
「そうだよ!だって未亜ちゃん…里原くんの前では泣かなかったんでしょ?」
「え、うん…」
「……おーい、みんな!もう帰るって!」
その時…だいぶ前を歩いていた亮くんの声が聞こえてきた。
「「はーーい」」
それに彼女たちと一緒に返事する。
「じゃあ行こっか!」
歩実ちゃんが先頭を切って彼の元に歩き出した―。
だってもう…
私は甘えたことなんて言っていられないの…。
玲央くんだって…同じ気持ちだと思うから―。
それに…―、
私はふと…空を見上げた。
居る場所は違ってしまうけれど…この真っ青な空と同じように…
私の心は…いつも玲央くんの心と繋がっているよね…?きっと…。
私はそう…信じているから…―。
【END】