♀ my prince ♂




私は今…


送り出してくれた三人の元にいる。
外に出て駐車場の方へと歩いていた。




「大丈夫…?」


そう聞くのは歩実ちゃん。



「うん…大丈夫…っ」



「無理してない…?」


次は夏凛ちゃん。



「うん…。だって玲央くんは…知っている人が誰もいない所で…これから頑張るんだもん。だから私も…頑張らなくちゃ…っ」



「未亜ちゃん…」



「そうじゃないと…玲央くんと釣り合わなくなっちゃう…」


“へへへっ”と二人に笑って見せた。



「……強くなったね?」



「え~…?夏凛ちゃんには負けるよ~!」


夏凛ちゃんにそう言われて笑ってそれを否定する。



「そうじゃなくって……心が」



「こころ…?」


夏凛ちゃんの言葉で頭の中に?が浮かんだ。



「うん、そう…心。未亜ちゃん…強くなったよ。私よりもずっと…」



「私も…強いなって思うよ?」


歩実ちゃんにもそう言われた。



「そう、なのかな…?」



「そうだよ!だって未亜ちゃん…里原くんの前では泣かなかったんでしょ?」



「え、うん…」



「……おーい、みんな!もう帰るって!」


その時…だいぶ前を歩いていた亮くんの声が聞こえてきた。



「「はーーい」」


それに彼女たちと一緒に返事する。



「じゃあ行こっか!」


歩実ちゃんが先頭を切って彼の元に歩き出した―。




だってもう…


私は甘えたことなんて言っていられないの…。
玲央くんだって…同じ気持ちだと思うから―。



それに…―、




私はふと…空を見上げた。




居る場所は違ってしまうけれど…この真っ青な空と同じように…
私の心は…いつも玲央くんの心と繋がっているよね…?きっと…。



私はそう…信じているから…―。





【END】



< 192 / 203 >

この作品をシェア

pagetop